【全前置胎盤】の出産まで

私は、妊娠29Wで全前置胎盤と診断され、出産しました。

全前置胎盤になる確率は非常に少なく、全前置胎盤というものを私を含め周りの人も皆知りませんでした。

聞ける人もいなかったこともあったせいか、不安な気持ちに何度も襲われ、万が一を考えてしまい泣いたこともありました。

でも沢山の人のおかげで無事に元気な赤ちゃんが産まれてくれ、すくすくと育ってくれています。

今回は私の出産の経験談を書きます。

参考になれば嬉しいです。

診断から入院まで

27W

検診でオリモノ検査があり久々の内診がありました。

内診が終わり、先生から全前置胎盤の疑いと帝王切開の可能性があると告げられました。

突然の聞いたこともない言葉や説明を聞いても ショックとパニックで頭に入らず、ほとんど理解ができませんでした。
ただ、よくない事が起こったんだというのは分かりました。

先生から、29Wの検診で全前置胎盤か確定の診断をすること。
里帰り出産を希望していたので、出産をするためのNICUのある大きな病院を探しておくようにと言われ、この日の検診は終了しました。

頭がポカーンとしたまま病院から出て、慌ててネットで調べ、少し理解出来ました。
それでも「あくまでも可能性だし何かの間違いだろう」と信じたくない自分がいました。

29W

あっさりと全前置胎盤の診断が正式にでました。

「やっぱり現実になっちゃったんだなー」

「ここまで来たら受け入れるしかない、やる事やろう!」

気持ちを切り替えて病院に紹介状を書いてもらいました。

検診が終わり、紹介状を書いてもらった病院に電話をかけ事情を説明すると、遅くても31Wまでには病院を受診するように言われ、予定より前倒しであわてて帰省することになりました。

30W

30W6dに帰省先の病院の初診日。

あらかじめ状況を説明していたので、担当医の先生から「これからいつ何があっても対応出来るように皆んなで情報を共有させてもらいます。」と言われ先生と助産師さんたちが計7人くらいで内診のモニターを見てくれました。
人数の多さに自分の状況の大変さを感じました。

一通りの診察が終わり、先生からの説明がありました。

【説明の内容】
・胎盤が子宮の入り口を4センチほど覆って完全に塞いでいる全前置胎盤である

・普通分娩だと胎児より先に胎盤が外に出てしまい胎児に酸素がいかなくなり命が危険な為、帝王切開でしか子供が産めない

・大出血のリスクがあり、すでに大出血が起こりやすい週数になっている

・大出血が起これば直ぐに子供を外に出さないといけなくなり、34wまでに産まれてしまった場合は子供はNICUに入る

・大出血は想像を超える出血量のため、家で出血した場合パニックを起こし冷静に判断や行動が出来なくなる
( 過去に病院で大出血した方は、廊下が血の海になったそうです。怖すぎる…)

・病院と実家は片道30分かかる為、大出血して救急車を呼んだとしても母子ともに危険な状態になる可能性も高い

・36~37Wまでお腹の中で子供を育てることが何よりも大切

そして、翌々日から管理入院になりました。

全前置胎盤と診断されて、念のために入院の準備もしていたのでホントに良かったです。

先生の説明の続きとして、
全前置胎盤は通常の帝王切開より出血量が多くなるため、輸血用の自己血貯血を行うこと。
全前置胎盤になった理由は不明だけど、もし胎盤が子宮に癒着しており産後に出血が止まらなかった場合は子宮の全摘出の可能性がある。と言われ恐怖MAXでしたね。

入院から出産まで

31Wから入院がスタートしました。
絶対安静がメインの入院だったので、ひたすらじっとしているだけでした。
病院の立ててくれた計画で37W1dに帝王切開予定日になりました。

【31W0d】
10:00~入院
MRI撮影

この時点の日課
・お風呂は毎日OK
・朝と夜の問診(お腹の張と痛み、胎動の有無、排便排尿の回数、出血の有無)
・午前中1回モニター
・週1回採決
・週1回自己貯血

【31W6d】
心電図
レントゲン

【32W1d】
1回目貯血300ml
手術時の麻酔と貯血の説明
※予定通りの手術の場合は下半身麻酔、緊急の場合は全身麻酔と説明がありました。

【33W4d】
朝方にお腹の張りが中々ひかなったので調べてもらいました。微弱の張りが等間隔で来ていた為、24時間張り止めの点滴になりました。

この日からの日課
・歩行はトイレと洗面のみ、それ以外はベットで安静
・基本部屋から出てはいけない、部屋を出る際は車椅子
・朝と夕2回モニター
・お風呂は月曜木曜の週2回

【34W1d】
2回目の貯血予定でしたが、貧血で中止になりました。
既に鉄を飲み薬で服用していましたが貧血だったため、1日1回鉄の点滴に変更になりました。

【35W1d】
2回目貯血300ml

帝王切開の日も近くなってきたので、ひたすら安静でした。

【37W1d】
帝王切開を予定通りに迎える事が出来、無事に赤ちゃんと会えました。
出血量も想定よりも少なく済み、帝王切開は終了。
赤ちゃんを取り出した後に子宮にバルーンを入れ、胎盤のあった場所を止血しました。
術後の出血量も減っていき、夜にバルーンを取り出し子宮も無事に残りました。

長期の入院だった為、術後に血栓ができる可能性があるとのことで術後の麻酔が一部使えず、術後翌日までは他の帝王切開の患者さんより痛みは強かったそうなのですが、経過も良好で予定通り退院をすることが出来ました。

最後に

出産までは怖くて不安で仕方なかったですが、家族や知人、病院方々の支えのおかげで頑張れました。
長期の入院で色々なハイリスクの妊婦さんと知り合いました、ハイリスクじゃなくても出産は母親皆が命掛けだということも知ることができ、不安なのは自分だけじゃないと気持ちをしっかり持つことも出来ました。

そして、今までの不安は我が子に初めて会った瞬間に全てが飛んで、喜びしかありませんでした。

全前置胎盤だと分かってすぐは「何で私が」と思ったこともありましたが、いつからか、この子じゃなきゃ私のお腹では育たなかったのではないかと思いました。
とても生命力の強い子なんだと今は思ってます。
たくさんの支えや助けをいただきながら出産を経て、感謝の気持ちでいっぱいです。

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